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はじまり

2022/6/1
はじまり

屋上で栽培した綿
10鉢
綿40g
種150g
綿繰り時間1.5h
TEEシャツ1枚250gとして袖1枚分位の綿

今月の末に皆さんから頂いた綿と、福島のkitenさんの綿を混ぜて紡績をかけます。そこから生地を編んで服になるまでもう少しかかります。

なぜ、綿を自分たちで栽培して服にしたいのか。それは、自然と人の間の繋がりを服を通して伝えていきたいからです。

これから世の中は加速していくと思う。コロナ中に私たちは自分たちのペースを見つけた。
周りに合わせるのではなく、自分たちのペースや自然の流れのペースに合わせることが、この先大事だと考え始めています。

綿を栽培することで、大きな自然の流れの中に身をゆだねることができます。

最近の会社の会話の中で、屋上の綿の発芽率が悪いのと虫に食べられているのは、雨なのか気温なのか土なのか何が原因なのか立ち話をしています。

日常の中に自然が入り込み、服が私達ごとになり始めました。とても嬉しいです。去年育てたこの綿は、今回できる生地の0.01%も満たない分かも知れないけれど、初めて自分たちで育てた綿を着ることで、どんな気分が待っているのか楽しみで仕方ありません。

そしてその気分から、新たな服が生まれてくるかと思います。

2022-04-06 | ブログ, 服のこと

よはくのものづくり 杢グレー

毎年、定番以外の季節素材をいくつか作っている。

いつも出来上がった生地を見て、それからその生地にあった形を考えはじめる。
そうすると素材にストレスがかからないかなと思ってる。

一般的には、デザインから考えて、そのイメージに近い生地を探して、それで服を作っていくから、素材の機能はあまり見ていない事が多くて、形とかデザインの優先度が高くなる。

素材の特性、特徴を知らずに、あくまでトレンドのものを作ると、結果的に長く着なくなってしまう可能性が高い。

素材と形が合ってないと着づらかったり、あきちゃったりしちゃう。だから、自分たちでかならず着て、経験を更新するのを大事にしている。

素材を新しく作るときは、生地やさんに行き、生地見本を見せてもらって、定番の布もあるんだけど、それはたくさん出回ってるから、そしたら 裏は茶綿にしたほうがいいんじゃないかなと思って、yohakuの素材はつくっている。

例えば、裏茶綿の表トップ(杢調の生地)が好きな理由は、
どこまでも均質性がないから。

注:トップ糸とは”綿染め”をした糸。 糸になる前の綿(わた)の状態で染めたもの。 綿染めを施すことで糸自体に自然なムラが生まれ、その糸を使って編むことで、味わい深い色合いの生地が生まれる。


裏側の茶綿は染色していない自然な色だから、濃淡があって、マットじゃないし日焼けもするし、すごく自然物に近い。

木とか葉っぱに近いなと思う。
だから茶綿が好き。

トップグレー(トップ糸の杢グレー)ってどこまでも べたじゃないから、ずっとランダムな状態がつづいている。

それがつづく(連続性になる)とそれがべたに変わる(見える)こともあるからそれも面白いと思う。

あと、バージンコットンといわれている、綿のままと染色したグレーをまぜて作っているから、後染めの糸よりも風合いがとてもいい。

グレーの黒いとびとびがアットランダムに入っているのが、自然的でいいなと思う。

だからこの生地はこの色しかつくってない。


どこまでも安定しない、というのが僕は好きなんです。

同じトレーナーを横にならべても よく見たら同じじゃない。


そして、
縫う人たち、生地屋さんにもストレスがかからないように発注して作ってる。

トップの糸と裏の糸の色だけ決めて、
それで吊り編みっていう条件だけだして、あとは生地屋さんにまかせている。

吊り編み機が混んでるって言われたから、その時空いている吊り編み機に入れてくださいって言った。
そしたら空いてる吊り編みに入れてくれて、動いてない機械を稼働させてつくってる。

だから、どこにもストレスがかからないで、これは生まれてくる。

パタンナーさんも、服のアウトラインを伝えて、縫製仕様とか細かいところはおまかせだし、
縫製も縫いづらいって言われたら、やり易いようにすぐに変えてもらってる。
そうすると現場もそれのまま流れていく。

とにかく、生産の流れが詰まらないように、考えてやっている。

それもあくまで自然のながれで、現場のペースでぜんぶ直せるように、僕がこうしてというのは、とくにない。

ある程度身をゆだねて、作るようにしている
それは売る場所もおなじ。

それが着心地につながるかはわからないけど そういうことをずっとやっている。

こうしてできた素材
「茶綿吊り裏毛 サンドベージュ杢」

羽織りとトレーナーをつくりました。
しっかりもちもちでありながら、茶綿のふわふわ感、どこまでもランダムな杢グレー

都会にも自然にもなじみそうな やさしい色合いです

種から始まる服作り 2022年 はじまります

昨年からはじめた茶綿プロジェクト。

春に種を配り、それぞれの環境で育てて収穫できたら、綿を回収して、そして生地にして服をつくる。

1年目でやっと、茶綿を栽培して収穫するまでの1つの循環を経験することができました。

皆さんから送っていただいた綿を、ワタの繊維とタネに分けて、いよいよ紡績工場へ送ります。生地になって服になるまでは、もう少し時間がかかりそうですが、ひきつづき見守りいただけたら嬉しいです。

昨年育ててくれた方のほとんどが、今年もまた育てたい!と種を待ってくれていること、とってもとってもありがたいです!
育てている時の気持ちがどうしたって伝わってくるのが、このプロジェクトのいちばんの楽しみであります。
また今年も一緒にがんばって育てましょう!

そして、今年から茶綿を育ててみたい方は、今週末から余白店舗にてタネを配ります(~5月末まで)ので、お店にいらした際にスタッフへお声がけください。

茶綿栽培プロジェクト(watanabe cotton project)
なんとなく考えているのは、自然のペースに合わせて服を作りたいと。
綿を育て、綿を回収して、糸にして服にできたら良いなと。あくまで自然のペースで。

そうすると服は一年に一度しか作れないことに気がつく。今から育てた綿は9-12月くらいに収穫して、種と綿に分けて、糸にして生地にして服になる。
そして、4.5月に分けた種を土に植える。そして、同じサイクルを繰り返す。

ゴールはないが循環というものが生まれると思う。上手くいくかは分からない。けれど、やらないよりやることに意味があると思う。だから、やってみる。
服の循環と自然のリズムとそこにあるかも知れない豊かさを探すために。

福島県いわき市で茶綿の有機栽培をしている、起点(きてん)さんと知り合ったことで始まったプロジェクト。

茶綿をそれぞれの環境で育ててみて、秋に綿が収穫できたら余白で回収して、茶綿ブレンドの生地を作り、Tシャツにします。

起点 @kiten.fukushima
福島県いわき市で、在来種の茶綿を有機栽培し、それを原料としたコットン製品の企画・製造・販売までを行っています。
起点さんから昨年収穫した茶綿のタネを譲っていただいたものを、皆さんにお配りします。
http://kiten.organic/

タネの配布から綿(ワタ)の回収まで
1.タネを配る(余白店舗にて4/15金~5月末まで 無くなったら終了)
🌱育てるにはどんな環境が必要か、2.3枚目の画像を参考にしてください

2.育てる
起点さん&余白の育て方ガイドを種と一緒にお渡しします。
土や虫や様々な環境がそれぞれ違うと思うので、日々観察しながらがんばって育ててください。
余白では、2年間失敗つづきでしたが、昨年は起点さんの栽培方法を参考に育てたら花が咲き綿も収穫できました。
土に肥料を加えて根っこが伸び伸びできるように、プランターを深くしたことと、虫よけに木酢液を薄めてスプレーしたのが良かったみたいです。
今年もインスタストーリーズやブログにて栽培記録を更新します。

3.綿(ワタ)の回収(9月~12月末まで)
① 余白店舗に持ってくる
② 郵送する
〒111-0054
東京都台東区鳥越2-2-7 余白

店舗営業日
金曜 13:00-18:00
土曜 12:00-18:00

2022-02-17 | ブログ, 服のこと

余白の始まりは残反から

余白の始まりは残反から

oemを辞めてブランドを始めたのが
10年以上前のはなし

余白になるまでに長い年月がかかった

もう、どの位の残反を使ったかは分からない。
何万着なのか何十万着の服を残反や残糸で作ったのだろう。
そして、それらの服を販売して余白は今の余白になった。

残反で色んな形の服を作った。
本当に沢山の種類の服を。

そんな残反からできた何百種類の服から最後に残った形がドバイパンツ。

工場が閑散期になると、そこの工場に残っている残反で作って貰うようにしている。
以前は残反を他の工場に移して作っていたがマイレージや工場のことを考えたら、そこで作った方が良いと思うようになってそこの工場で作って貰うようにしている。

現在ドバイパンツは、4カ所の工場さんで、残反と閑散期がうまく噛み合ったら作って貰うようにしている。

今回のドバイパンツは知り合いの生地屋さんの工場で作って貰った。

残反の服作りは余白の大切な部分の一つ。
勿体ない。使い切る。大事に。

初心忘れるべからず。で、ある。

2022-02-16 | ブログ, 服のこと

よはくのものづくり

セーターっぽいトレーナーを作りたい
それで、生地屋さんから見本を送ってもらった中から
この感じに近いのを見つけていく

こういうもの作りたいって言って
生地を見た中で これが近いと伝えて
それの特徴を教えてもらって
特徴にあったものを乗せかえるというか
それに近づけるというか

その風合いに近づけていく

今回は たとえば裏糸が無撚糸(むねんし=ほぼ綿の状態)を使ってるって話になって
その素材の特徴をきいて

なんかイメージとそのものとを だんだん話しながら
近づけてもらうというか

生地やさんも実際作らないとわからないんだけど
なんとなーくそのイメージでつくって

明確にこれじゃないとってのはない

昔 下請けで洋服を作ってたときに 大変だったのが
こうしてくれって決まっていて
生地屋さんもつくったことないのをつくるから
精度の高いもの求められると むずかしい

よはくは ものづくりとしては
作り方が違うというかユニークというか
許容をもってつくってるから
ある意味なかなかできないものが できる

現場(工場)とイメージを合わせながらつくる

作ると売るが どっちも優先てわけではなく
自分の経験もあるけど 現場の職人さんの話をきいて近づけていく

原料とか糸の名前きいて その時のかんかくでピンときたのを生地にする

それは自分のなかのストック(経験)があって

それで テストでやった中でこれはいいぞっていうのが 定番素材になる

思いつくまでが時間かかるから

ぐうぜんとか 何かのきっかけでインスピレーションおりてくるまで待つ

ぐうぜんを大事にしてる

許容があるといい生地がつくれる

そしてお客さんもよろこんでくれる

(秋冬素材 メリノウール裏毛)
いままでにないくらい くにゃくにゃもっちり かるふわ素材ができました

よはくのオリジナル素材はとても魅力的です

今後もおたのしみに。

綿の回収  一巡目

綿の回収
一巡目

去年、福島のkitenさんから頂いた和綿の茶綿を、育ててみたい方に種をお配りして約1年、いろいろなところで育った綿をお店に持って来て頂いたり、送って頂きました。ありがとうございます。

現在、順番に綿繰りをして、育ててくれた方に種を戻させて頂いてます。
3月末までには戻せるようにと思ってます。

綿繰りをしてみると自然環境で綿のつき方や綿の色や種の大きさがまちまちで、一つ一つが人のように違うのがとても楽しく、余白メンバーも時間が空いた時に綿繰りをしています。

これから回収した綿を、kitenさんから分けて頂いた綿と混ぜて糸にしていきます。
そして、何かしらの形にして行こうかと思います。

綿を育てて、たくさんの学びがあります。改めて綿にも野菜や果物、お米のように一年に一度の収穫の時期があることに気が付きます。

自分自身、服という形になると、そこがゴッソリ抜けていて、いつでも買えるモノになっていたなと。

このプロジェクトは、4.5年前位に綿花を栽培している農家さんと出会い。そこで体験したことが、自分の心の中で豊かさに繋がり、少しでも誰かと一緒に体験したいと思っていました。

コロナになって諦めていましたが、新たな出会いを頂き今回一巡目ができました。
まだ、形にもなっていませんが、3月末から4月上旬にかけて二巡目の種配りをしようと思っています。
改めてご連絡致しますので興味がありましたら参加して頂ければと。

改めてありがとうございました。
引き続きよろしくお願い致します。

追伸
綿繰り機を購入して、この先も気になって
糸紡ぎ機も購入しました。現在シーズンらしく1ヶ月半待ちなので待ち遠しいです。糸紡ぎスキルを身につけましたら、お店で体験ができるようにしますので、改めてご連絡致します。

あらたな活動

ワタナベコットンプロジェクト
通称ワタプロ

去年から始めた余白の活動

綿花を皆んなで育てて服にしてみたいと始めたプロジェクト。

このプロジェクトの大切なことは、特に失敗も成功もなく、まずは育てることをやってみようと思い始めた事です。

余白の服作りに欠かせない残反で服を作る。

かれこれ、10年近くそんなことで服を作っていました。
結果的に残反は出続けることがわかり、それから定番という形で服を作ることで残反が出ない仕組みにたどり着きました。

不思議なことに10年前は残反で服を作って販売していると、何でこれは安いの?
なんでこんなに素材がバラバラなの?

残反なんですと説明すると、怪訝な顔をして買ってくれないことがありましたが、今は勿体ないが当たり前になってきたので、価値観は時代と共に変化していくんだなと。

そして、次に考えたのは捨てられない服を作ることです。
それが、種から始まる服作り、ワタナベコットンプロジェクトです。

綿はまだまだ、お米や野菜のように私たちにとって身近な作物ではありません。
このプロジェクトで、もう少し綿と近づいて、食べものと同じような感覚になるようにと努力していきたいと思います。

まだまだ、時間はかかると思いますが循環するかたちになるまで諦めずに続けていこうと思います。

もしかしたら10年後それが当たり前になってると良いです。

お店に育てた綿を持ってきて頂いてありがとうございます。大切に使いたいと思います。

2021.12.31

今年もありがとうございました。

今年は私たちの中で1番のチャレンジであり、気づきを教えて貰えたのが茶綿栽培でした。

来年の1月から鳥越店舗では綿繰りと茶綿回収をします。

綿を育てることで、服の違う側面が見えてきました。

トレンドや機能性、デザインやライフスタイルの服ではなく、なんと言えば良いのでしょうか。

育む、繋がり、喜び、不安、諦め、愛おしさ、雨、空、寒い、暑い、太陽、土の匂い、虫、鳥、風、腰が痛い、季節の変化していくグラデーション、色々な自分の気分の気づき。

これから、綿と種を外し、糸にして編んで布にそして服になっていきます。服を作るのに1年以上かかります。

これからの過程の中でどんな気分がまっているのか楽しみです。気分の服はどんな着心地なんだろうと。

こんな時だから、自分の中から出てくる気分や気持ち。
誰かにやらされる事では無く、自分がやりたいと思う気持ちを大切に行動していくことが大事なんではないかなと思いながら、ここ数年行動してます。

そして、来年も自分達が楽しいと思えるモノを作ることで、その先に皆さんの笑顔が見えるのではないかと思います。

来年もよろしくお願い致します。
では、良いお年を。

2021-12-16 | ブログ, 服のこと

備後パンツ

お直しと染め替えと丈直しを 来年は形にしていきたい

備後パンツ 濃紺

2年くらい着用してくれてるお客様からのお直し依頼。

パジャマでも着てくれていて、濃紺の染めがデニムみたいに経年しています。

股のところが穴あいてたところを、
秋田の縫製工場に送り修復してもらいました。

信じられないくらい綺麗な状態で戻ってきました。着てくれている人と直してくれた職人さんに感謝です。

2021-12-13 | ブログ

和洋折衷パーカー

備後パンツを作ると必ず裁断屑がでるので、なんとなく勿体ないと思い集めていた備後絣のハギレ。

何に使うかは特に決めてもいないので、作るたびにでる裁断屑を工場から送って貰っていた。
もしかしたら、備後絣の機屋さんに見学に行ったときに作る過程を見たからかもしれない。おばあちゃんが糸を括ったり職人の方が草木や藍で染めたりシャトル機で織っていたのが記憶に残っていたからか。
機屋さんにあった古い時計がチクタク動く針の音と機械のガシャガシャという音が混ざり何だか過去なのか今なのか時間の感覚を忘れてしまったのを憶えている。

来年から、なまえのない服というシリーズを始めます。
それは今迄の余白のプロダクトをギュッとした感じになるかと思います。
これまでに色んな方法で作ってみて、何となく今作りたいと思う方法が見つかったのでやってみようと思います。

それのまずはテスト版にちかいかもしれない。

日本の布、ハギレ、残反、日常着、一点一点違う柄、そんな要素が入った和洋折衷パーカー

残反から残糸、反毛から和綿栽培、そして裁断屑。
資源を無駄なく使い切れるように作り、気持ち良く着たおしてゴミで燃えて灰になって無くなるまでの過程を大切にしているのが余白です。

そんな一貫のテスト版なまえの無い服です。

店舗・オンラインショップで販売いたします。

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