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ブログ

屋上でTEEシャツ1枚分綿花栽培チャレンジ

会社の屋上で綿花栽培を始めて今年で三年目になります。
毎年少しずつですが、チャレンジをしながらやっています。
今年は和綿茶綿以外に洋綿の白綿と緑綿を育てたのと、去年より鉢を増やしました。

最初に使った鉢がスウェット地の綿100%だったので1週間も経たないうちに、布が土に還り穴が空いてしまいました。このままだと、全て土になってしまうので、慌てて工場に残っているポリエステル100%の布があるのを思い出し、急いで工場で新しい鉢を作ってもらいました。

内側はポリエステル100%外側は綿100%で作った鉢で今回はチャレンジしました。外側の鉢があるので少し水分を含む事ができるので良いかなという感じでやりました。

去年の土に今年は家で作っていた腐葉土の土を混ぜて、綿作りに向けて始めました。

芽が出てきて可愛い

東京の屋上で、綿花栽培をしている会社も中々レアで良いかと思います。

私の中で結構嬉しいのは、綿花栽培をやることでハチが来るようになったことです。綿花には花が咲くのでその蜜をとりに来ます。

綿を支えるのにハギレの赤い布で巻く
今年、屋上で収穫した和綿茶綿と洋綿白綿と緑綿

綿を収穫したのでこれから綿繰りをします。

目標はTEEシャツ1枚分の綿です。

もともと、自分の中でTEEシャツ1枚に対してどのくらいの綿が必要が知りたかったという単純な理由で始めた部分があります。

一年目にやってみて、こんなに土地が必要なんだとビックリした記憶があります。

日本には綿花畑がほとんどないので、服の適量というか物差しがないので、現在の衣料廃棄に繋がっているのではないかと考えています。

自分たちでやることで、ほんの少し、服の適量、限界を知れたら良いと考えてます。

綿の話はキリがないので、先ずはここまでで。

次回は綿繰りして、実際どの位採れたか連絡しますね。では。


2023-08-03 | ブログ, 服のこと

よはくのものづくり 製品染(せいひんぞめ)

季節の色を着る

製品染は、服の加工方法の1つで、Tシャツやワンピースなど服の形(製品)になってから染める技術です。

その季節や気分にあった色を着るというのがテーマで、数年前から「yohakuかんかくコレクション」として始めました。

染める色は、1人のアーティスト(画家)の画集から、そのときの自分たちの好きな色を選んでいます。

1人のアーティストの色彩から選ぶと、アイテムの中でどの色を組み合わせても調和して、一枚の絵の中に溶け込むようで面白いです。

昔やっていたワンピース10色展みたいなのとか、とにかく色をたくさん感じてほしいと思ってやっています。

使っている生地は、再生の生地

残反(使いきれずに余ってしまった生地)の中から、白やキナリの染まってない状態の生地を買って、製品染めをして作っています。

旬の色を着るというのが製品染めの楽しみなので、せっかくだから余っている生地を使って、その時の色を加えて再生させています。

気持ち良い作り方 生産性の話

製品染めは、生地の裁断が1回だけで終わります。
普通は4色の生地を裁断するとしたら、生地をとっかえひっかえ4回裁断しないといけないけど、製品染めだと1回でまとめて100枚とかを裁断できるので、工場の生産性がとてもよい作り方です。

例:
生地が4色あると、100枚を4分割
25枚×4回裁断する

製品染(白やキナリの生地)
いっきにまとめて100枚裁断できる

縫うときも、綿糸(染まる糸)の同じ色で縫うので、途中でミシンの糸を変えなくていいので、一気に縫えて、それも生産性がすごく良いです。

そういう意味で製品染っていいなと思っていて、時々季節に1度くらい作っています。

縫製工場から届いた、生成りの状態のTシャツ

染める色ごとに分けて、染色工場へ送る


縫製した後に、黒沼さん(染め屋さん)で染めるという工程がまた好きで、ここで初めて色を分けて染めてもらうのですが、通常の生地染めのものと違うのが、60度から80度の高温で染めて、その後乾燥機に入れるので生地がつまって、ふっくら感がでます。

黒沼染工場(東京)

ワンウォッシュしたのと同じで、生地のノリが抜けて風合いがすごくいいのと、素材によって斜行(しゃこう=くにゃっとする)したりもするから、
そういうのも、カットソーならではの洗いざらした感じがして、着た時の瞬間から気もちいいと感じられるのが製品染の良さです。


夏から初秋にかけての製品染めシリーズ
季節の色を楽しんでみてください。
(商品名をクリックしていただくとonline shopの詳細がご覧いただけます↓)

ツートーンカラーワンピース  全6色

ステテコパンツ 全5色

→line Tシャツ (サイズ2.3) 全6色

ハーフパンツ  全6色

オーガニックコットン ワイドプルオーバー 全3色

イージーワイドパンツ  全3色

テーマは、水

今回のプリントのイメージの色は水です。
服をつくり、売り、着るときに水を想像することは
今までにありませんでした。

屋上で綿花を育てるようになり、
そこで種まきの後にすることは
水をまくことでした。

それから暑い夏から秋にかけて
私達にできる事は水やりをする事でした。

あたり前の事かもしれませんが、
服は水がないとできないという事に
気がつきませんでした。

そんなあたり前で特別な事に気がつけた事に
とても豊かな気持ちになれた事が
うれしいかぎりです。

特別だけどあたり前に続けていきたいと思います。
そんなはじまりのTシャツです。

2023-05-27 | ブログ, 服のこと

プレステージ(Prestige) 記憶にのこる気持ち良さ

昔、ギザ45という生地があって、
GIZA(ギザ)は最高級綿の1つエジプト綿の品種で、地域ごとにGIZA45やGIZA70、GIZA88など開発順に番号が付けられていて、その中でも最高とされるのが45番だった。

種もずっと育てていると進化なのか、だんだん変わっていくのと、その番号の綿の最大量は決まっているんだけど、GIZA45をあるハイブランドのTシャツに使っていて、当時自分が下請けで作っていたブランドさんにも使いたいと言われて、日本で作れる紡績屋さんを探して、ゲージを調べてみたら、ちょっとゆるめの32番反ていう、けっこう珍しい番手(太さ)の糸だった。

それを糸から別注をかけて生地を作って、そのときに僕もそのTシャツをいちばん着ていて、肌触りもすごく気持ち良くてずっと記憶に残っていた。

2~3年前に、大正紡績さんで「プレステージ」という糸の残糸があるのを聞いて、これが大正紡績さんがお客さんからGIZA45に近い糸を作って欲しいと頼まれて、スビンゴールドとアルティメイトピマをブレンドして作った糸だった。

たまたまそれを聞いて、これは使いたいと思って、プレステージの生地を作ることした。

ただ残糸だから量が決まっていて、今シーズンで使い切っておしまい。
次に作るとしたら別注で作るから値段が変わる。

残糸の良いところは、とても良い生地(高級素材)を他のTシャツとそれほど変わらなく、着てためすことができる。

プレステージの特徴は、
光沢感と色の吸収がいいから発色がきれい。

だから光にあたるとシルクに近いようなツヤ感が出るのが特徴。

吸収性がいいから、普通のラベンダーよりも発色と光沢があって、カットソーなんだけど着ていてすごくきれい。

絶妙な中色(ニュアンスカラー)というのがより効いていて、表面にうっすらと透明感があるように見える。

いい糸ほど白度が高いと言われていて、染色性が良くて、ぎゅっと色が入っていく。
くすんだ色でも鮮やかさがあり、色を楽しめる。

加工で白度を上げるのではなくて、自然の光沢感がある。

普通のゲージよりもゆるく編んだほうが、糸本来の気持ち良さを感じやすい
から、ちょいゆるめの生地にした。

細い糸を双糸(2本の糸を撚って1本にする)にすることで、密度が出るから、編みをゆるくしても見た目が綺麗で発色性が高くなる。

1枚でさらっと着てもきれいに見える生地です。

綺麗さと着心地のやわらかさ、両方を備えたTシャツ。
みなさんの記憶にのこる着心地となれば嬉しいです。

Tシャツ  4色 4サイズ(unisex)
長袖Tシャツ  4色 4サイズ
タンクトップ  4色 2サイズ
ワンピース  3色

→Prestige商品ページ

茶綿のTシャツができました

種から始まる服づくり
watanabe cotton project
茶綿のTシャツができました。

販売に向けて、写真を見返したり、背景、体験をたどっていると、水や光のように心に伝わってくる瞬間が何度もありました。
服を着ることも自然であれるように、その一歩をこのTシャツを通して体験しているように思います。

店舗・オンラインショップにて販売が始まりました。
茶綿栽培に参加してくれた皆さま、ありがとうございました!!

→online shop  種から作ったTシャツ(無地、バックプリント)

種から始まる服作り 2023年 はじまります

2021年の春からはじめた茶綿プロジェクト。

春に種を配り、それぞれの環境で育てて収穫できたら、綿を回収して、そして生地にして服をつくる。

1年目でやっと、茶綿を栽培して収穫するまでの1つの循環を経験することができ、その茶綿が昨年末にようやく糸から生地になり、もう少しで服になります。

育ててくださった皆さま、ゆっくりペースを暖かく見守っていただき感謝です。
2年目は、なかなかうまく育たなかった方も多かったようですが、毎年気候が変わるので、私たちもドキドキしながらチャレンジしています。

また今年も一緒に育てたい方、あらたに茶綿を育ててみたい方は、今週末から余白店舗にてタネを配ります(~5月末まで)ので、お店にいらした際にスタッフへお声がけください。

🌱
茶綿栽培プロジェクト(watanabe cotton project)
なんとなく考えているのは、自然のペースに合わせて服を作りたいと。
綿を育て、綿を回収して、糸にして服にできたら良いなと。あくまで自然のペースで。

そうすると服は一年に一度しか作れないことに気がつく。今から育てた綿は9-12月くらいに収穫して、種と綿に分けて、糸にして生地にして服になる。
また春になったら種を土に植える。そして、同じサイクルを繰り返す。

ゴールはないが循環というものが生まれると思う。上手くいくかは分からない。けれど、やらないよりやることに意味があると思う。だから、やってみる。
服の循環と自然のリズムとそこにあるかも知れない豊かさを探すために。

福島県いわき市で茶綿の有機栽培をしている、起点(きてん)さんと知り合ったことで始まったプロジェクト。

茶綿をそれぞれの環境で育ててみて、秋に綿が収穫できたら余白で回収して、茶綿ブレンドの生地を作り洋服にします。

〈起点〉
福島県いわき市で、在来種の茶綿を有機栽培し、それを原料としたコットン製品の企画・製造・販売までを行っています。
起点さんから昨年収穫した茶綿のタネを分けていただいたものを、皆さんにお配りします。
http://kiten.organic/

〈タネの配布から綿(ワタ)の回収まで〉
1.タネを配る(余白店舗にて4月下旬~5月末まで 無くなったら終了)

2.育てる
起点さん&余白の育て方ガイドを種と一緒にお渡しします。
土や虫や様々な環境がそれぞれ違うと思うので、日々観察しながらがんばって育ててください。
余白では、2年間失敗つづきでしたが、2021年から起点さんの栽培方法を参考に育てたら花が咲き綿も収穫できました。
土に肥料を加えて根っこが伸び伸びできるように、プランターを深くしたことと、虫よけに木酢液を薄めてスプレーしたのが良かったみたいです。
今年もインスタストーリーズやブログにて栽培記録を更新します。

3.綿(ワタ)の回収(9月~12月末まで)
① 余白店舗に持ってくる
② 郵送する
〒111-0054
東京都台東区鳥越2-2-7 2F 余白

店舗営業日
金曜 13:00-18:00
土曜 12:00-18:00

ワタナベコットンプロジェクトのこと

今年で三年目に入ります。相変わらず服はできていません。

ワタナベコットンプロジェクトという名前について。私は個人的に綿を自分で育てたいと強く何十年も怨念のように願っていました。
それがある時、ご縁で色々と繋がり種と綿を分けて頂くことになり三年前にこのプロジェクトを始めることができました。

最初は余白コットンプロジェクト、はたまた他の名前も考えましたが、綿が好きすぎて1人で勝手に始めたことなので、始めるのも終わるのも自分で勝手に決めたいと思い個人の名前にしました。

余白という単位で始めると、どこかでゴールを作りそこに向けて服にして販売しないといけないと思うと何か大切なことに気がつくのを見逃してしまいそうな気もするので、勝手気ままにやっていこうと思いました。

そのおかげで三年目になっても服はできていません。その代わり私は沢山のことを感じ、沢山のことを学び続けています。

五年前くらいに出会った綿農家さんの畑で、初めて種を植えた時、身体が震え、感動したのを今でも覚えています。夢が叶ったことと、体験したことで初めて知れた感覚。

その時の感動を少しでも皆さんと共有できたらと思う気持ちがこのプロジェクトの始まりです。

綿を育てるということは、自分自身の豊かさを育み、皆さんと育てることを共有することで繋がりが生まれる。そして、このプロジェクトを始めた当初はコロナ真っ最中でしたが、皆さんと一緒に綿を育てている感じが何か私たちにとってとても大切なことだったと実感しています。

これから育てた綿を服にして販売をしていきます。販売をしたら終わりではなく、これからも少しでも皆さんとこのプロジェクトを通して関わりをもちながら、綿を育てている方達と出会えたことで教えて頂いた農業としての循環を考えていけたら思っています。

このプロジェクトで私が感じたことをなんの脈路もありませんが不定期に思うがままに上げさせて頂きます。よろしくお願い致します。

2022-11-16 | ブログ, 服のこと

よはくのものづくり 定番素材-残反をのこさない仕組み-

定番素材 -生地を最後までつかいきる 残反をのこさない仕組み

もともとは、残反が工場にいっぱいあって、そのまま廃棄するより服にして着てもらって最後まで使ってもらうのがいいと思い、再生シリーズを始めました。

ドバイパンツやレギンスにしたりと、10年間で20トンくらい製品化したんだけど、結局、残反が無くなる事はないのがわかってきた。

それでまず、自分にできる解決方法として、オリジナルの定番素材を作ろうと決めた。


そのシーズンだけに必要な量(ワンスポット)で作ろうとすると、生地が残ってしまって、工場の隅にただただ積み重なっていく。

作った人の意識も遠くなって、永遠に使われなくなってしまう。
だから、ずっと意識が向いている状態にしたいと思った。

素材を定番にするということは、作る側が使い続けるという意思があればできると思い、yohakuの中で残反が出ない仕組みを作ったんです。


yohakuの定番は、世の中で作られている定番の素材よりも、ちょいズラシで作ってます。
少しゆるく編んだり、少しだけ度詰(どづめ)で編んだり、微妙な色にしてみたり。あまり世の中に出回らない生地を作るようにしてます。

自分が気持ちいいというのも、たいせつなんだけど、
それをまぁずっと作りたいから、基本は定番として長く使える素材を、毎回、工場の適量で作るようにしている。


それをひたすら繰り返していることで、残反が出ない仕組みになっている。
結局そうするとコストも抑えられる。

適正価格のための残反が出ない仕組みでもある。


yohakuは適正価格で販売したいから、生地を毎回使いきるようにしている。

作るうえでとても大事にしているのは、工場の適量で作ること。
糸をケースで買っていて、それを編んでいくときに、機械の適量というのがある。
どこの工場でも作るうえで仕込みに時間がかかるので、ある程度の量を作
るようにして、工場の負担が少なくなればと思っている。

こちらの必要分だけの量を作ると、チャージアップや残った糸代が別にかかっってしまったり、最終的に生地が残ってしまったら、結局それは買ってくれるお客さんや工場の負担になる。

なんかそれはよくないなと思っていて、なるべく皆に負担がかからないようにしたいから、工場になるべく行って、工場の職人さんに最適な量と作り方を学んで、それを服作りに役立てるようにしている。

そうすることで、作る人買う人、そして売る人にもなるべく負担がかからない仕組みになるのかなと思っている。


単純に工場に生地が残ってると気になるし、使いきれるほうが気持ちがいい。
野菜と一緒だと思う。

全部気持ち良く使いきる手段として、yohakuの定番は良いと思っている。

だからyohakuで使う生地は、残反が出ないようになった。


かかわる人たちが気持ち良くできる環境を作ることが、結果的に心地の良い定番の服になっていくのではと思ってます。


yohakuの定番素材

茶綿裏毛(ちゃめんうらけ)

通常の裏毛素材よりも、ややガーゼ調にゆるく編んであるため、柔らかさと軽さがあります。
薄すぎず厚すぎない適度な厚みであることで、季節問わずに、屋外室内どちらでもとても着やすい素材です。
内側には茶綿(オーガニックブラウンコットン)を使用しているため、天然の油分が残っており、しっとりした肌触りと適度な保温性があります。

・茶綿裏毛ジップパーカー

・茶綿裏毛トレーナー

茶綿サーマル

「サーマル」とは、凹凸のある編みのカットソーです。
この凹凸の編みの間に空気の層が溜まるので、綿素材でありながら保温性を高める効果があります。
ふっくらとボリュームのある肉厚感で、着れば着るほど、柔らかくなっていく素材です。こちらも茶綿裏毛と同じく、裏側にオーガニックブラウンコットンを使用しています。

・茶綿サーマル長袖Tシャツ

・茶綿サーマルレギンス

30/-フライス(さんまるたんフライス)

透けにくく、アウトにもインナーにも着やすい素材です。
フライス編みの伸縮性のよい、綿100%。
着ていくほど生地が柔らかくなり、ほどよいフィット感が気持ちがいいです。

・5本針タンクトップ

・5本針長袖Tシャツ

2022-10-25 | ブログ, 服のこと

よはくのものづくり 残糸(ざんし)

経験と体験をかねて、制限のある中でつくる面白さ「残糸のはなし」


もともと秋田の六郷さん(ニット工場)が残糸で作っているニットを見せてくれて、残っている糸を使って、こんな風に製品にできるんだと思ったのが残糸との出会いだった。
それで、初めての残糸企画で、もちもちニットをつくった。

もちもちニット 2019年


同じ頃に、大正紡績(大阪にある紡績工場)さんからも、残糸のリストを見せてもらう機会があり、いろんな種類の原料があることと、そこからいろんな糸が作れるということにワクワクして、これはすごいと思った。


残糸は余っている糸だから、量も決まっていて、それ以上は作れない。
100キロだったら100キロ。

もしそれ以上追加で作りたいってなったら、納期もめちゃくちゃかかるし、糸から経済ロットで作るから、量も多いのとコストも上がる。
だから残糸でつくる製品は、ほぼ追加生産ができない。

使い勝手は悪いかもしれないけど、その制限の中で作るならすごくお得。

自分でオリジナルの糸を作りたかったんだけど、いかんせん何も分からなくて、勉強にもなるから、残糸でいろいろな糸を使ってみた。

そうすると配合とか、だんだん経験でわかってくるようになった。


残糸を製品化することで、その素材がどういう風合いで、どんな着心地になるかが分かるから、それは実体験とともに得られる情報になっていった。

1から作ると値段も高くなっちゃうので、せっかく作って売れなかったらもったいない。
そういう意味で 経験と体験とを兼ねて残糸を使うようになった。


使っているうちに、残糸がすごく面白くなってきて、
自分流にアレンジしたりとか、生地やさんに相談して、このぐらいのゲージで編んだ方がいいとか、それもまたノウハウとして教えてくれるから、より自分の作りたいものが、正確に作れるようになってきた。


そういう意味で、残糸は良いものを使って実験できているので、とてもありがたい。
糸としても面白いし、服にしたときも、ああこうなった!みたいな感動が自分の中にあって、それを皆と一緒に体験できて、きもちいいってなったときにやっぱり嬉しいし、廃棄される可能性の高い糸で、しかもいい糸を使って服になって着られるのもいいなと思う。

yohakuだから残糸がつかえると思う。

残糸が80キロだったら80キロで作れる生産の仕方をするだけ。
経験としてノウハウの1つになるし、次につながるから80キロで全然よくて、残糸が使いづらいとかはない。

糸にあった編み方を勉強できるし、その特性にあった素材ができるから服になったときに気持ちいいと思う。


昨年、大正紡績さんの残糸でつくった2つの素材
どちらも素晴らしい糸。

・「ホワイトカシミヤオーガニック」
オーガニックの超長綿アルティメイトピマ80%とホワイトカシミヤ(カシミヤの中で最高級ランク)20%のブレンド。なめらかなとろみと繊細な柔らかさがある極上の素材。
これはチャコールグレー1色を残っていた量オール買いして、1色をひたすら作って売っていく方式。今年販売している分で無くなったら終わり。

カーディガン、タートルネック、ボートネック


・「メリノウール裏毛」
表はメリノウール(羊毛の中で最高級とされている)の残糸で、
裏糸は無撚糸(むねんし 綿そのままの状態の糸)、そうすることで全体的にコストが下げられる。残糸を部分的につかうこともある。

トレーナー、ワンピース、ストール

自分でつくるのって限界があるけど、のこってるのを見せてもらって
いろんな人が考えてつくったのだから面白いし、その中からいいなと思ったのが定番素材になっていく。

綿100%でもいろんな綿(ワタ)があって、シャリ感だったり、なめらかさだったり、番手(糸の太さ)で違ったり、
大正紡績さんは、残糸でもトレースがとれているから、産地での特徴の違いなどを知ることができる。

綿を知るんだけど、作ってる場所も知れる。
その辺も販売するときにお客さんに伝えられると面白いかなと思う。

作っている背景が必ずあって、人の温度を感じられたらいいなと思って
知らないことってたくさんあるから、綿を通してそこを知るのって面白いなと思う。
残糸はつかっていて本当にたのしい 全部いい糸だから参考になる。

→ ホワイトカシミヤOG カーディガン 詳細ページ

→ ホワイトカシミヤOG タートルネック

→ ホワイトカシミヤOG ボートネックTee

→ メリノウール裏毛トレーナー

2022-10-05 | ブログ, 服のこと

よはくのものづくり 大正紡績

よはくのものづくり
「本当の良い糸=トレーサビリティーのある原料をつかう」


この仕事をはじめたときに、最初やることがなくて、秋田の縫製工場によく行っていた。

その当時、日本製のあるブランドさんの仕事をしていて、生地を裁断していると、その生地がほかのものより、とんでもないくらい肌触りがよかった。

そのブランドさんは、大阪にある大正紡績さんのオリジナルの糸を使っていて、自分がブランドをやるなら、いい糸といい編みの背景で、ものづくりしたいと思っていたので、いつか大正紡績さんの糸を使いたいというのが夢だった。

下請けでいろいろな服を作ってみて分かった事は、高級な糸はハイブランドでしか使えないぐらいの設定になっていて、一般の人が着心地として経験できない。
手に届くくらいの価格でいい糸と言われるものは、だいたい数%だけ使っていて、あとは他の原料を混ぜて作っていたりする。

100%の高級糸を使うと、服になった時にすごく高くなってしまう。

値段が高いと、良い素材なんだけど着られる人が限られちゃうから、
自分でブランドを始めたときは、自分の思う値段でそんなに高くならないように作りたいと思っていた。

日本の工場で作っている良い生地を、もっと身近に着て欲しいなと思った。

それを実現したくて、yohakuを始めてからずっと作り方と販売の工夫をしてきた。

生産を工場の流れに合わせる、適量を作ること、生産から販売まで状況に合わせて柔軟に変更できること、など。

普通だったら2~3万円する、すごい高級綿のTシャツを、yohakuだと5~6千円で着られるというのは、とても大事だなと思う。

いろいろとやってみて、少人数でやることで可能なことがあるのではと思うようになった。

大正紡績さんと繋がりができたとき、すごくうれしくてテンションが上がった。それで、せっかくなら一番いい糸を使いたかった。

まずは、サリーさんの茶綿とグリーン綿、インドの最上級品種ラキシマンさんのSUVIN GOLDを、yohakuの定番素材として使った。

大正紡績さんは、農家さん(綿花を育てている人)との人づきあいを大事にしていて、トレーサビリティー(生産過程の追跡ができる)が完全にとれるところも素晴らしいと思う。

本当に良い糸(生地)は、トレーサビリティーとサスティナビリティーを大切にしている。それが結局、着心地につながっている。

yohakuは、着心地という面で、本当に癒されたり、長く着続けられる良い服が作れたらいいと思う。

大正紡績さんの糸でつくった生地

茶綿裏毛(ちゃめんうらけ)

茶綿サーマル

グリーン綿 ガーゼ裏毛

グリーン×ブラウン綿

茶綿グリーン綿 商品一覧

SUVIN GOLD(スビンゴールド)

SUVIN GOLD 商品一覧

大正紡績 HP

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